今月のTOPIC
「トラック理論」
~社長が突然いなくなった時のリスク管理~
僕がこの業界に入り、貪るように本を読んで勉強していた頃『なるほど』と唸るテーマに出会いました。それが今回のトピックである『トラック理論』です。これは、「企業の経営者がある日突然トラックに轢かれて亡くなってしまった時、あなたの会社はどうなりますか?」という問いです。それに関連して、リスク管理を考えるテーマとなります。シミュレーションもしたくない出来事でありますが、絶対に無いとも言い切れないのです。今月はこの不思議な切り口に着目しトピックにしてみたいと思います。
「俺が死んだら開くファイル」
死が絡むと重いテーマになりがちですが、あくまでもリスク管理のお話です。僕は「俺が死んだら開くファイル」というのを用意しています。半分冗談、半分本気で作っています。ドリームスパイスは一人で事業を行っている個人事業ですので、とても大事なこととも言えます。内容は割愛しますが、仕事に支障をきたさないように何かあったら連絡をする人を掲載したり、大事なパスワードに関しての記載等を記しています(直接パスワードは記していません)。Facebook 等も今では死後に関する設定があったりします。
先日ある方とお話していて、この話題になりました。「阿部さんは一人で仕事をしているから、事が起きたらお客さんが困るよね」との会話から、「こんなファイルがあるんですよニヤリ」と見せるとびっくりされていました。
人の死は必ずやってくるにも関わらず、日本人は特にその話を表立ってしない傾向にあります。「食卓で家族の死を語る」というワークもあると聞きますが、大事なことは話し合っておかねばなと感じています。
次期経営者候補の存在
「トラック理論」をネットで調べるとこんなテキストがありましたので紹介します。 (トラック理論:リスク管理法)たとえどんなに健康でハツラツと業務を遂行している経営者であっても、ある日突然トラックに引かれて死ぬ場合もある。トップが突然死亡した場合に何の備えもしていなければ、極端な場合、経営指揮するものが居なくなって会社自体が危機に瀕するケースもあり得る。トラック理論でいうと、通常の経営者交代制度のみならず、経営者に不測の事態が発生した場合に備えて次期経営者候補を常に準備しておくことが求められる。
まさにこれですよね。この考え方を理解していても、実行出来ていない事が多い。僕もその一人です。「そうは言ってもさ~」というのが本音だと思います。ところがマジで大事なんですよね。こういうテーマに触れると考えずにいられない僕は、ウンウン頭を捻ってみました。そして一つの案が浮かびます。それは、「バディ経営者」の存在を作るということです。バディは「相棒」という意味なのですが、昔水泳の授業でやりましたよね、あれです。自分の身に何かあった時、バディの相棒が助けてくれる。それを経営者に例えると、次期経営者が決まっていなくとも、相談相手として経営指揮者を知ることができるので、社員も先を見ることができます。僕のバディは彼だから、とあくまでもバディとして社員に紹介しておくのも良いと思います。とはいえ、そんなに綺麗には行きませんよね。借り入れ金の対応や現行業務の対応、そして社員の未来判断等、起きるであろう怒涛の混乱を今現在生きている経営者がどれだけ考えられるのか。その責任を負うのが経営者であり、経営そのものなのだと感じます。これを書きながら色々な事を思い浮かべていました。僕も頑張らねばです!!